「憂え」の意味と使い方・類語と例文
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「憂え」の意味
「憂え(うれえ)」とは、物事や人について「悪い方向に向かうのではないかと心配する」という意味です。「憂」という字には「心配する」「案じる」などの意味があり「憂える」「憂う」「憂い」などの言葉で表します。「心配」という何かに対する直接的な懸念に対して、「憂え」は何か得体の知れない懸念、捉えどころのないネガティブな感情というイメージです。
また「憂え」は「心配」や「懸念」よりも、もっと重大な問題についての不安を指します。そのため、日常生活で頻繁に用いられることはなく、根の深い問題や壮大な事案について使われています。
「憂え」の使い方
「憂え」という言葉には「動詞」としての働きと「名詞」としての働きがあります。動詞としての「憂え」は「私は憂えた」「彼の将来を憂え」など人の将来を懸念している状態を表します。
- 「彼女は彼との結婚を憂えている」
この例では彼女は彼と結婚することで、何か良くないことが起きるのでないかと懸念してることを表しています。具体的に何が心配なのかということは問題ではなく、様々なことを「なんとなく不安」「なんとなく心配」と悪い方向へ考えている状態です。
一方「名詞」としての「憂え」は「そんな憂えは不要だ」「憂えのないように」など、人の心情を表す言葉として使います。「動詞」でも「名詞」でも「憂え」の意味に変わりはありません。
- 「憂えばかり口にしていても何も始まらない」
この例では、その人が口にしている心配や懸念を「憂え」という言葉で表しています。「憂え」という言葉を選んでいる時点で、その人の心配や懸念の原因が明確なことではなかったり、悪い方向へばかりの想像である、ということがわかります。
「憂え」の例文
- 「あなたはいつも憂えている」
- 「わたしは憂えることで何が起きても良いように準備している」
- 「彼が憂えていたことで、私も不安になった」
- 「娘は私の体調を憂えている」
- 「部長の憂えはいつものことだ」
「憂え」の類語
- 「憂慮(ゆうりょ)」
「憂え」ととても似た意味を持つのが「憂慮」です。大きな問題について考え、さまざまな心配をすることを表します。「今年も台風の被害が憂慮される」などと使い、問題についての対策を立てることが難しく、気を揉む様子が見られます。 - 「危惧(きぐ)」
「憂え」と同じように、何かを心配することを「危惧」と言います。「憂え」と違うのは、心配の他に「恐れ」「恐怖」という感情も含まれることです。「景気を危惧する」などと使えば「景気の動向によってはこれまでのようには行かなくなるのではないか」という心配と、景気の動向によって受ける可能性のある損害についての恐怖の感情までを読み取ることができます。
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